地震による雨漏りや、台風・ゲリラ豪雨による浸水が発生した際、目に見えない恐ろしい危険が「漏電(ろうでん)」です。電化製品の内部に水が侵入したり、配線が傷ついたりすることで、本来流れるべきルートから電気が漏れ出し、人が触れると強力な感電を引き起こすほか、電気火災の直接的な原因にもなります。今回は、家庭を守るための「アース線」の知識と「漏電ブレーカー」の点検について解説します。
なぜ濡れた家電は危険?「漏電」が起きる仕組み
電化製品は通常、電気が外に漏れないよう「絶縁体(ビニールなど)」で覆われています。しかし、地震の揺れでコードが家具の下敷きになって潰れたり、水害で水が内部の基盤に付着したりすると、電気が水や傷ついた配線を通じて家電のボディ(金属部分)や周囲の水たまりに流れ出てしまいます。この状態で人が製品に触れると、人間の体を通して電気が地面に流れようとし、重篤な「感電」を引き起こします。
命を守る「アース線」の役割と正しいつなぎ方
水回りや湿気の多い場所(冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、温水洗浄便座など)の電化製品には、必ず緑色や黄色の「アース線(接地線)」が付いています。アース線の役割は、万が一漏電が起きた際、電気を人ではなく「アース線を通じて安全に地面へ逃がす(アースする)」ことにあります。これにより、人が触れても感電を防ぐことができます。
- アース線の接続手順:コンセントの差込口下部にある「アース端子」のカバーを開け、中のネジを緩めます。アース線の芯線(金属部分)をネジに巻き付けるか差し込み、ネジを固く締めてカバーを閉じます。
- 資格不要:アース線の接続自体は電気工事士の資格がなくても誰でも行えます。接続されていないアース線があれば、今すぐ接続しましょう。
家庭の最終防衛ライン「漏電遮断器(漏電ブレーカー)」の点検
万が一、大きな漏電が発生した際に自動で電気を遮断し、感電死や火災を防いでくれるのが分電盤の中央にある「漏電遮断器(漏電ブレーカー)」です。このブレーカーが正常に作動するか、半年に一度は点検を行うことが推奨されています。
- テストボタンでの点検方法:分電盤にある漏電ブレーカーの横に付いている「テスト(TEST)」と書かれた小さなボタン(赤やグレー)を押します。
- 正常な動作:ボタンを押した瞬間に、ブレーカーのレバーが「切」または中間にカチッと落ちて電気が消えれば正常です。
- 注意点:テストを行うと家全体の電気が一瞬消えるため、パソコンなどの電子機器の電源をあらかじめ切ってから実施してください。もしボタンを押してもレバーが落ちない場合は故障しているため、速やかに電気工事店に修理を依頼してください。
