タワーマンションをはじめとする高層ビルは、新耐震基準に適合し構造自体が非常に頑丈であるため、建物が倒壊するリスクは極めて低いです。しかし、高層階ならではの独特な揺れ「長周期地震動」が発生すると、家具の転倒や移動によって室内が凶器と化すリスクがあります。今回は、高層階で暮らす人が絶対に知っておくべき地震対策について詳しく解説します。
高層ビルを大きく揺らす「長周期地震動」とは?
長周期地震動とは、規模の大きい地震が発生した際に生じる、周期(揺れが1往復する時間)が長いゆっくりとした大きな揺れのことです。この揺れは遠くまで伝わりやすく、高層ビル特有の「揺れやすい周期(固有周期)」と同調(共振)すると、ビルの上層階に行くほど揺れが大きく増幅し、時には数分間にわたって左右に数メートル近く揺れ続けることがあります。
低層階とは異なる!高層階特有の3つの危険性
- 家具が倒れるだけでなく「走る(横滑り)」:長周期地震動では、冷蔵庫やテレビ、キャスター付きの家具などが、床の上を滑るように数メートルにわたって勢いよく移動します。
- 全ての部屋の家具が一斉に転倒・激突する:揺れが長時間続くため、固定されていない家具はほぼ例外なく倒れるか、壁や人に激突します。
- エレベーターの長期停止による「孤立」:地震を検知するとエレベーターは自動停止します。復旧や点検には数日〜1週間以上かかることがあり、高層階の住人は階段での昇降を余儀なくされ、物資の運搬や外出が極めて困難になります。
高層階での家具固定「3つの鉄則」
高層階では、家具の転倒だけでなく「滑り出し」も防ぐため、二重の固定対策が推奨されます。
- キャスターは必ず固定&ロック:複合機やテレビ台、ワゴンなどのキャスターは常にロックし、さらに下に「受け皿(キャスター皿)」や固定テープを噛ませてください。
- 突っ張り棒と「耐震シート」の併用:突っ張り棒単体では、激しい横揺れで外れてしまうことがあります。必ず家具の底面に「耐震ゲル(ジェルマット)」を貼り、上部の突っ張り棒とダブルで固定しましょう。
- 壁への直接ネジ留め(L字金具):可能であれば、壁の「下地(スタッド)」がある柱部分にビスで直接固定するのが最も強固です。賃貸の場合は、壁を傷つけない「不動王」などの粘着テープ式耐震器具を活用しましょう。
コメントを残す