2016年に発生した熊本地震では、最大震度7が2回観測されるという激しい揺れにより、多くの住宅が倒壊・損壊しました。その際、余震を恐れて避難所ではなく、自家用車の中で夜を過ごす「車中泊避難」を選択する人が急増しました。プライバシーが保たれる車中泊ですが、そこには命に関わる重大な健康リスクが潜んでいます。熊本地震の教訓をもとに、その危険性と正しい対策を解説します。
車中泊避難でエコノミークラス症候群が起きる原因
車中泊避難で最も注意しなければならないのが「エコノミークラス症候群(急性肺血栓塞栓症)」です。狭い座席に長時間同じ姿勢で座り続けることで、足の静脈に血の塊(血栓)ができ、それが立ち上がった拍子などに血流に乗って肺の血管に詰まる病気です。最悪の場合、呼吸困難に陥り死亡することもあります。
特に災害時は水分摂取を控えがちになる(トイレの回数を減らしたいため)ことも、血液がドロドロになり血栓ができやすくなる大きな要因です。
車中泊避難を行う場合の5つの安全ルール
もしどうしても車中泊をせざるを得ない場合は、以下の予防策を必ず実行してください。
- こまめに水分を補給する:目安として1日1L〜1.5L以上の水分を摂り、血液をサラサラに保ちます。
- 足を平らにして寝る:シートを倒して極力フルフラットにし、隙間はクッションや毛布で埋めて、足を伸ばして寝られる空間を作ります。
- 軽い運動とストレッチ:数時間に一度は車外に出て歩く、あるいは車内で足の指を動かしたりふくらはぎをマッサージしたりします。
- ゆったりした衣服を着る:体を締め付けない緩めの服を選び、特に足首や太ももを圧迫しないようにします。
- 着圧ソックス(弾性ストッキング)の着用:足元の血流を促進する着圧ソックスの着用は、血栓予防に極めて効果的です。
車に積んでおきたい防災アイテム
車中泊の環境を少しでも良くするために、日頃から車のトランクに「車中泊マット」や「窓用サンシェード(目隠し用)」を積んでおくと、緊急時に非常に役立ちます。
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