ヨーロッパの永世中立国であるスイス。平和なアルプスの国というイメージが強いですが、実は世界で最も「地下防空シェルター」が普及している国でもあります。スイスの法律では、全ての住民にシェルターの座席(避難スペース)が確保されることが定められており、そのカバー率はなんと100%を超えています。今回は、国家レベルで徹底されたスイスの防災と備えについて紹介します。
スイスの地下シェルター「人口カバー率114%」の仕組み
スイスでは、1960年代の冷戦期に制定された法律により、「一定規模以上の新築住宅には地下シェルターの設置」が義務付けられました。もし自宅にシェルターを作らない場合は、公営の地域共同シェルターの利用枠を確保するための「代替金」を支払う必要があります。その結果、人口約890万人に対して、約900万枠以上のシェルタースペースが国内に存在しています。
シェルターは、核爆発の熱線や放射性降下物、毒ガス、大地震による瓦礫の崩落から住民を守るため、強固な鉄筋コンクリートで造られており、気密性の高い防爆扉、放射性物質を取り除く特殊フィルター付きの換気装置、予備の給水タンクが完備されています。
スイス政府が推奨する「緊急備蓄(Notvorrat)」の中身
スイス連態経済供給局(BWL)は、全ての家庭に対して最低「1週間分の非常食と飲料水」の備蓄を強く義務・推奨しています。スイスの家庭が備蓄している代表的なリストは以下の通りです。
- 水:1人あたり1日2リットルを目安とした飲料水
- 主食・カロリー源:米、パスタ、シリアル、砂糖、油など長期保存可能な食品
- 調理設備:ガスや電気が止まっても調理できるカセットコンロなどの熱源
- 衛生・医療品:ファーストエイドキット、常備薬、トイレットペーパー
日本に住む私たちがスイスから学べること
日本国内で頑丈な地下シェルターを各家庭に普及させるのは現実的ではありませんが、彼らの「いざという時は数週間、自給自足で生き延びる」という精神は、地震大国日本においてこそ重要です。
ライフラインが完全に途絶えた場合、政府や自治体の支援物資が届くまでに数日〜1週間以上の時間がかかります。まずは家庭で1週間分、できればそれ以上の非常食と飲料水を備蓄しておく(ローリングストック)習慣を、スイスの義務備蓄にならって家庭のルールにしてみましょう。
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